社内報の寄稿依頼で「断られない」ための6つのポイント

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読まれる社内報の特徴の1つに、「従業員がたくさん登場すること」があげられます。
社内報において従業員を多くフィーチャーすることは、単なる情報提供にとどまらず、相互理解を促進し、ネットワーキングの機会を拡充させ、組織を一層強化していく重要な役割を果たします。

社内報の制作では、従業員に積極的に寄稿を依頼するケースが増えていますが、残念ながら、依頼を断られてしまうことも少なくありません。
また、従業員になんとかお願いして、上がってきた原稿に目を通したら「思っていた原稿とちょっと違う」という結果になってしまった経験のある方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、従業員に寄稿をお願いする際に断られてしまう原因や、快く引き受けてもらうためのポイントや注意点などをまとめました。

寄稿とは?

寄稿とは、原稿を寄せるという意味が含まれており、依頼を受けて書いた原稿を送ることを指します。
読まれる社内報を作るためには、より多くの寄稿が欠かせません。
なぜなら、たくさんの人が原稿を書いてくれると、社内報が充実した内容になり、いろんな角度からの記事があると、読む人も興味を持ち関心が高くなるからです。
しかしながら、実際に寄稿をお願いしてみると、なかなか思った通りの原稿がもらえないことがよくあります。
また、もらった原稿が期待したものと違う場合もあって、そのまま使うのが難しいこともあります。

社内報における寄稿の難しさはこうした点にあります。
依頼先は専門のライターや執筆者ではなく、多くの人が執筆に不慣れなため、思い通りに文章が書けないことがよくあります。
さらに、本業が忙しく原稿執筆が後回しになることもあります。
そのため、依頼する社内報担当者側のフォローが重要です。
寄稿は単に依頼すれば終わるものではなく、執筆しやすい環境を整えることがどれだけ重要かを理解しておく必要があります。

社内報で寄稿を快く受けていただくために心得ておくこととは?

寄稿の依頼を快諾してもらうには、依頼する意図や内容を、相手に速やかに、わかりやすく伝えることが重要です。
なぜ自分に依頼するのか、自分は何を求められているのか、具体的に何をすれば良いのかがわからないと、依頼に応じたくないと感じてしまうからです。
寄稿の依頼は通常、依頼書を用いて行います。
依頼書を作成する際には、依頼を受ける側の心情を踏まえて、依頼する企画やコンテンツの目的、テーマや内容、文字量や提出期日などを明確に記載しましょう。

寄稿の依頼を正式に行う場合、企画書や依頼状を渡すだけでは不十分です。
企画書や依頼状に加えて、執筆の際の注意点やポイントなどを別紙にまとめて渡しましょう。
依頼された方は原稿をより書きやすくなり、希望通りの原稿に仕上がる可能性が高くなります。
また、書面だけでの依頼では、依頼者の意図が伝わりにくい場合があるため、口頭で補足説明を行うことも大切です。


誰に何を依頼するか?明確にしておくことも大事です

寄稿の依頼では、まず依頼する相手を決めることが大切です。
社内報の定番のコンテンツでもあるトップメッセージであれば社長や経営陣、新入社員紹介であれば、新入社員にお願いする。
その人でなければ書けない企画であれば、誰に何を依頼するかを明確に定めやすいです。

一方で、例えば新製品の紹介など、複数の視点から書ける企画の場合は、どうでしょうか?
製品の開発担当者:製品の特長や従来品との違い、開発の舞台裏について
製造担当者:製品の高いクオリティや量産技術について
営業担当者:製品のマーケットや顧客について
同一の製品でも、執筆者によって視点や論点は異なります。
そのため、企画の趣旨を踏まえた依頼先を選ぶことが大切です。

また、従業員一人ひとりの声を届けたいコミュニケーション企画の場合、身近な部門や本社だけで執筆者を選ぶと、偏った内容になってしまう可能性があります。
そのため、全従業員を対象に、エリアや業種ごとにバランスよく依頼するようにしましょう。

寄稿の依頼は「目的」「重要な要素」「期日」を必ず伝えよう

依頼先が決まったら、さっそく依頼しましょう。
しかし、依頼の際には、注意が必要です。
快く引き受けてもらうためにも、相手に「目的」「重要な要素」「期日」を必ず伝えるようにしましょう。


・依頼する「目的」や意図

社内報の寄稿を依頼する際には、社内報の発行目的やターゲット読者、そして「記事を読んで何を感じてほしいか」という読後感を執筆者に伝えることが重要です。
誰に向けて何を伝えるかによって、文章のテンション、温度感や難易度が変わるためです。
例えば、寄稿依頼として「自社の新サービス」について「新入社員や若手社員を中心に、基本をしっかり伝えたい」と目的と合わせて依頼するとします。
この場合、執筆者は、難しい技術的な話より、新サービスの特徴や効果を、わかりやすく説明することを意識してくれるでしょう。
このように、寄稿を依頼する「目的」や意図をしっかり伝えておくことが大事です。

・これだけは入れてほしいという「重要な要素」

寄稿依頼の際には、必ず盛り込みたい「重要な要素」をあらかじめ執筆者に伝えましょう。
例えば、営業所の紹介記事を所長に依頼する場合、営業所の概要や所在地、社員数などの基本情報に加え、営業所の雰囲気や従業員の想いなど、必ず盛り込んでほしい内容を明確に伝えておく必要があります。
たとえば、部署紹介の記事を依頼する場合、チームの雰囲気や従業員の様子を伝えてほしいのであれば、その旨を依頼書に明記しておきましょう。
自由記述で依頼した場合、事業報告のような記事になる可能性があります。
そうすると、後から「もっと部署の人や雰囲気がわかるような、くだけた内容がよかったな...」と後悔しても、書き直してもらうには難しいでしょう。
そのため、必ず盛り込みたい「重要な要素」を具体的に伝えておくことが大切です。

・提出「期日」や提出方法

社内報の寄稿依頼をする際には、提出「期日」や締め切りを明確に伝えることが重要です。
「10日間くらいで」と曖昧に伝えてしまうと、予定が立てられず困ったり、締め切りが不明だと重要度が低くなり、後回しにされてしまう可能性もあります。
そのため、キッチリとした締め切りを設定することで、お互いにとって負担を減らすことができます。
執筆者は原稿執筆のスケジュールを立てやすくなり、社内報の制作スケジュールもスムーズに進みます。
また、締め切りに加えて、目的や要素、文字数などの情報を1枚のシートにまとめた「寄稿依頼シート」を活用するのもおすすめです。

寄稿を手直しをするときのポイント

社内報の寄稿原稿は、締め切りまでに上がってきたとしても、そのまま掲載するわけにはいきません。
原稿の内容をチェックし、誤字や脱字がある場合や、読みにくかったり、想定していたテーマとずれていたりする場合は、手直しが必要です。
ただし、勝手に原稿の内容を変えると、寄稿者が気を悪くするおそれがあります。
そのため、あらかじめ寄稿者に対して「掲載にあたって、いただいた原稿を手直しする場合がある」と伝えておくことが重要です。

具体的には、以下のような修正が挙げられます。
・専門用語をわかりやすい言葉に置き換える
・長すぎる文を短く分割する
・硬い言い回しを柔らかくする
・不統一の語尾を統一する

一方、単なる言い回しや表現方法の修正だけでなく、原稿の内容自体を大きく変えたり、文章を大幅に追加・削除したりする場合は、寄稿者に再確認が必要です。
なぜなら、いくら事前に手直しの了承を得ていたとしても、掲載した内容が寄稿者の意図と反するものになってしまった場合、トラブルになる可能性があるからです。

経営層が書いた寄稿の手直しはしても良いのか?

社内報の原稿チェックで、役職者や経営層の書いた原稿をチェックするのは、最も難しい作業のひとつです。
誤字脱字や読みづらい表現など、明らかな問題がある場合でも、上司や経営者という立場にある人の原稿に手を加えるのは、ためらわれるものです。

一般的に、役職者や経営層の寄稿原稿は、誤字脱字を除いて、原則として手を加えないことが基本です。
しかし、従業員に経営層の想いが伝わらなければ、寄稿いただいた意味がなくなってしまいます。
このような事態を避けるために、社内報担当者は普段から経営層とコミュニケーションを密にし、関係性を向上させておく必要があります。
経営層と広報・社内報担当者との間に信頼関係があれば、経営側の想いをもっと読者に伝えるために、少し手直しをお願いするのもしやすくなります。

寄稿依頼を受けてもらえない6つの原因と対策

ここまでお伝えしてきた寄稿における心得や注意点を取り入れていくことで、受けていただける可能性が高くなるのですが、それでもやっぱり受けていただけないこともあります。
社内報で寄稿依頼を受けてもらえない原因は、大きく分けて「本人側の原因」と「社内報側の原因」の2つに分けられます。
そこで、ここからは、わかりやすく丁寧にお願いしても、寄稿依頼を受けていただけない状況に陥る主な6つの原因と、それぞれについての対策をお伝えします。

1:忙しくて余計な仕事を増やしたくない

社内報の寄稿は、基本的には業務時間外で行うことになります。
そのため、残業するほど忙しい従業員は、余計な仕事を増やしたくないという理由から、寄稿依頼を断ることがあります。

対策としては、寄稿の依頼を、従業員の業務の負担にならないように工夫することです。

例えば、業務時間内で寄稿できるように、従業員のインタビューや部署紹介などの企画や、従業員から寄せられた記事を掲載する企画などを検討するとよいでしょう。
また、直接本人に依頼するのではなく、依頼したい従業員の上司を通じて、業務の一つとして上司から伝えていただく方法も有効です。

2:社内報を読んでいないから興味がない

社内報を読んでいないと、社内報に載るような内容を思い浮かべることができません。
そのため、社内報を読んでいないから受けたくないと考える場合もあります。
また、社内報の価値や意義を理解していない場合も、寄稿依頼を受けにくいでしょう。

対策としては、1と同様に直接本人に依頼するのではなく、依頼したい従業員の上司を通じて、業務の一つとして上司から伝えていただく方法が有効です。
その他にも、普段から社内報の人気コンテンツなど自社の傾向やニーズ、読者層を把握し、その層に興味を持ってもらえるようなテーマや内容の記事を企画することです。
また、社内報の編集方針や掲載記事の内容を、従業員に定期的に紹介する機会を設けることも効果的です。

3:自分の仕事が社内報に載るほどのものではないと考えている

社内報に掲載する記事は、従業員の成果や経験を社内外に伝えるものです。
そのため、従業員が「社内報に載るほどのことをしていない」と感じると、寄稿依頼を断ることがあります。

対策としては、社内報のテーマや内容を幅広く設定する、従業員の成果や経験を掘り起こすなどの工夫が必要です。
例えば、社内報のテーマを「仕事のやりがい」「従業員のアイデア」などに設定したり、従業員のインタビューやアンケート調査を実施したりすることで、従業員の成果や経験をアピールすることができます。
また、社内報に載せることを前提に説得するのではなく、載せるか載せないは後から検討する旨を伝えて、まずは話を聞かせて欲しいと持ち掛けるのも有効です。
そして、オンラインなどで会話する機会を設け、そこで話していただいたことを社内報に掲載したいと伝えた後、改めて依頼する具体的な内容を伝えていくと良いでしょう。

4:書くことが苦手だから

文章を書くことが苦手な従業員は、社内報の寄稿を難しく感じます。
書くことが苦手なため、寄稿するのをためらってしまうかもしれません。
また、自分の文章が社内報にふさわしいかどうかも不安になります。

対策としては、従業員のスキルや経験に合わせて、執筆のサポートを行うことです。
例えば、原稿の校正や編集、写真撮影などのサポートを行うことで、従業員が気軽に寄稿できるようにします。
どうしても難しい場合は、無理に寄稿していただこうとするのではなく、インタビューに切り替えて、話を聞いた上で社内報の担当者が代筆して、本人の確認と承諾を得て記事にしていきましょう。

5:成果や結果が出ていないので今は依頼を受けたくない

寄稿の依頼が拒まれる理由として、特に増えてきているのがこの理由です。

特に、新入社員や入社間もない従業員は、十分な成果や結果を出していないと感じる傾向があるため、寄稿依頼を断ることがあります。
また、この理由で断られてしまう背景として、依頼する内容が十分に伝わっていないことが考えられます。
多くのパターンとして、依頼された従業員は、結果や成果が出ておらず、今後も出せるという保証もないと考えて、断りたいと考えます。
一方で、依頼する側である社内報担当者は、その点を求めているのではなく、今どのような取り組みをしているのかといったことや、今の想いや意気込みを知りたいと考えている場合です。

この場合は、書いてもらいたい内容が明確に伝わることで、抵抗なく引き受けてもらえる場合が多いのです。

もし、こういった理由で寄稿を断られることが多い場合は、執筆していただきたいテーマが正しく伝わっているか、誤解を招く表現になっていないかどうかを確認してみることをおすすめします。

6:寄稿依頼のタイミングや内容が悪い

寄稿依頼のタイミングや内容が悪いと、従業員のモチベーションが上がらず、寄稿依頼を受けてもらえない可能性があります。
寄稿依頼のやり方が適切でないと、従業員に誤解を与え、寄稿依頼を断られることがあります。


対策としては、寄稿依頼の目的や内容を明確に伝え、業員の負担にならないように配慮することです。
従業員が余裕のある時期に寄稿依頼を行うことや、業員の興味や関心を引くテーマの寄稿依頼を行うと良いでしょう。
また、寄稿依頼の際に、従業員の疑問や質問に丁寧に答えることも大切です。

まとめ

社内報に寄稿してもらうことは、従業員のモチベーションやコミュニケーションの活性化につながる有効な手段です。
しかし、寄稿依頼をしても、なかなか受けてもらえないこともあるでしょう。
寄稿依頼を快く受けてもらうためには、本人の都合や状況を尊重し、無理のない依頼をすることが大切です。
また、寄稿の目的やターゲット層、必須事項、締め切りなどを明確に伝え、本人の状況に合わせて調整することも重要です。

さらに、社内報の魅力や意義を本人に伝え、寄稿への意欲を高めることも重要です。
寄稿依頼を受けてもらえない原因は、本人側の原因と社内報側の原因の2つに分けられます。
本人側の原因としては、忙しくて時間が取れない、社内報を読んでいないから、自分の仕事や専門分野以外の内容を寄稿するのは難しい、書くことが苦手、十分な成果や結果が出ていないため、今は依頼を受けたくないなどが挙げられます。
社内報側の原因としては、寄稿の目的やターゲット層が本人に伝わっていない、寄稿の必須事項が明確に伝えられていない、締め切りが厳しすぎる、原稿の修正に手間がかかりすぎるなどが挙げられます。

これらの原因を解消するために、本人の都合や状況を尊重し、無理のない依頼をすること、寄稿の目的やターゲット層、必須事項、締め切りなどを明確に伝えること、社内報の魅力や意義を本人に伝えることが大切です。

寄稿依頼を快く受けてもらえるように、ぜひ参考にしてみてください。

マーケティング部 ディレクター 村上恵美

筆者:マーケティング部 ディレクター 村上恵美

音楽配信サイトのプロモーションチームに配属。ECサイト運営をしながら、主にアーティストのキャッチコピーなどライティング業務にも従事。2021年 「"はたらき"から、笑顔を」という会社のビジョンを熱く語る上司に魅了されスカイアークへ入社。マーケティング本部へ配属し、自社プロダクト「SOLANOWA」のシェア拡大、およびメディア「BlueNote™」の認知拡大に向けたコンテンツ強化を中心に、プロモーション業務全般のディレクションを担当。

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