社内報のアンケートはなぜ重要?効果的な実施方法とは

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • hatena
  • URLをコピー URLをコピーしました

Solanowa_Column_no79_image_main.jpg

「社内報をどれくらいの人が読んでいるのかを把握したい」
「読者アンケートを行って従業員からのアイデアを取り入れたい」
「社内報の改善に必要な意見や感想を集められるアンケートの方法を知りたい」
紙でもWebでも、社内報を発行する中で、このような課題にぶつかることがあります。

社内報は発行して終わりではなく、読者である従業員の意見を取り入れながらブラッシュアップさせていくことが大切です。
そのために有効な取り組みの1つが「アンケート」です。
そこで今回は、社内報におけるアンケートの重要性から実施する際のポイントなどをまとめました。

社内報にアンケートが必要な4つの理由

従業員の声を取り入れることができるアンケートは、読まれる社内報をつくるためには欠かせません。
他にも、社内報にアンケートが必要とされる4つの理由があります。

1:社内報に対する評価が確認できる

アンケートを実施することで、読者のリアルな声を把握することができます。
実際の感想を尋ねることで、社内報の改善に向けた重要な情報を得ることができます。
c全体の満足度やコンテンツの内容、デザイン、頻度、ページ数などについての満足度を確認していきます。
他にも、有益な記事や役に立った記事、興味を引かなかった記事、印象に残った記事、どの記事がつまらなかったか、といった意見も集めていくことが重要です。

2:どれくらい読まれているか閲覧度合がわかる

Web社内報の場合はPV数などのデータを収集しやすいですが、紙の社内報の場合、読者数や閲覧状況を把握するのは容易ではありません。
そこでアンケートを実施することで、その返信率や内容から、社内報の実際の読まれ具合を把握することができます。
具体的には、社内報を読んでいる人数の総数や、読むタイミング(休憩中や退勤後など)、場所(オフィスや自宅など)といった情報をアンケートで収集し、社内報がどういうシーンで読まれているかを把握できます。

3:新しい企画のアイデアや改善案の参考になる

アンケートは、読者の意見を取り入れて、新しい企画アイデアを立案するために有効な手段です。
企画の立案は社内報の運営担当者にとって、とても大変な作業です。
常に新しいアイデアやネタ探しに追われることはストレスになるでしょう。
しかし、同じ内容の企画ばかりでは読者の興味を引き続けることが難しくなってしまいます。
アンケートは、読者が興味を持つ企画やテーマ、取り上げてほしい人物などを把握することができます。
アンケートを活用することでアイデアのヒントが見つかり、ネタ探しに困らなくなり、同時に読者のニーズも把握できるというメリットが期待できるのです。
また、反響が薄い企画に関する意見やネガティブなフィードバックも収集できます。
企画の弱点や改善が必要なポイントを特定し、次回の企画に生かすことができます。

4:従業員を巻き込んでいくことができる

アンケートは、読者である従業員に、社内報を自分ごと化してもらうためにも有効です。
アンケートに回答した従業員は、自分の意見が実際の社内報に反映されたりすることで「社内報に参加している」という実感を持つことができます。
従業員も巻き込んで社内報をつくりあげていくことができると、それが社内コミュニケーションの一部にもなります。
社内報を作るうえでブラッシュアップは欠かせませんが、こうして従業員の本音を取り入れて社内報を作成することで、リアルな声を反映させることができます。
社内報は読まれる価値のあるものへと進化し、より多くの従業員にとって魅力的な情報源となるでしょう。

社内報アンケートの2つのタイプ

社内報アンケートの方法は、主に「紙媒体」と「Web」の2つです。
どちらがより多くの読者から効果的にアンケートを回収できるか検討して、自社に最適な方法を選択しましょう。

・紙媒体でのアンケート

紙媒体でのアンケート実施にはいくつかの方法があります。
まず、紙媒体で社内報を発行している場合、アンケート用紙やハガキを冊子に挟み込んで、従業員に届ける方法です。
社内報を読むついでにアンケートにも気軽に参加できる環境が整います。
他にも、会議やイベントなどの場を利用して、従業員一人ひとりに紙媒体を配布するという手もあります。
ただし、紙媒体でアンケートを実施する際には、印刷や用紙のコストや、回収の手間が発生することに注意が必要です。
紙媒体のアンケートは、ITリテラシーが高くない従業員や、PCを普段の業務ではあまり利用しない人にも届けやすいメリットもあります。
コストや手間、自社の特性と傾向を考慮して、紙媒体のアンケートの有効性を検討しましょう。

・Web媒体でのアンケート

Web媒体でのアンケートでは、一般的かつ便利なのはアンケートフォームを利用することです。
アンケートフォームは手軽に作成でき、手間やコストを最小限に抑えることができます。
回答はデータ化されるため、素早い集計や分析が可能です。
他にも、メールを活用して読者アンケートを実施する方法もありますが、アンケートフォームと比べて返信率が下がってしまう傾向がある点に注意が必要です。
特に従業員数の多い企業では、メールによるアンケートの管理が複雑になることがあります。
メールを活用するアンケートは、主に小規模から中堅規模の企業に適しているでしょう。
従業員が紙媒体に親しみがあるのか、それともITツールに馴染みがあるのかで、適切な運用方法が変わってきます。
従業員の年齢層や職種によって、最適な方法を選びましょう。

社内報でアンケートを実施する6つのステップ

実際に社内報でアンケートを実施する際、一般的な手順は次の6つのステップです。
・アンケートの目的を決める
・アンケートの媒体を決める
・アンケートに入れる質問を決める
・アンケートを実施する
・回収し内容を確認する
・フィードバックを行う

・アンケートの目的を決める

社内報のアンケートを実施する際の第1ステップは、目的を明確にすることです。
アンケートを通じて何を達成したいのか、どれだけの回答を集めたいのか、アンケート結果から何を得たいのか、具体的な改善点や方針変更を描きます。
目的はケースバイケースですが「満足度の測定」「閲覧状況の把握」「企画の募集」などが考えられます。
アンケートの成果を見据えて目標を設定し、その目的を明確に定めましょう。

・アンケートの媒体を決める

第2ステップは、アンケートの媒体を決めることです。
紙媒体か、Web媒体か、実施する媒体を決めていきます。
前述のとおり、紙とWebでは特徴が異なります。
媒体によるそれぞれの特徴を以下にまとめました。
紙(ハガキ):従業員の家族にも答えてもらえる、印刷などコストがかかる
紙(用紙):ハガキに比べるとコストが安い、回答の集計に手間がかかる
Web媒体:すぐに答えられる、回答は原則1人のため家族
自社に適した媒体を決めていきましょう。

・アンケートに入れる質問を決める

第3ステップは、アンケートに入れる質問を決めることです。
質問は読者が答えやすいように、わかりやすくシンプルな内容にしましょう。
また、回答者が負担に思わないよう、なるべく項目数は抑えるとベターです。
質問に応じて、項目によって、選択式と自由記述式に分けるといった工夫も必要です。

・アンケートを実施する

第4ステップは、アンケートの実施です。
アンケートの内容とレイアウトを決めて作成したら実際にアンケートを実施します。
アンケートには回答期限を必ず設定しましょう。
期限を設けることで回答率も高まります。
社内報の次号に影響を与えないよう、適切な回答期限を設定しましょう。

・回収し内容を確認する

第5ステップは、アンケートの回収と内容の確認です。
回答済みのアンケート用紙は必要に応じて回収していきます。
一方、Webやハガキの場合は、回答者からの送信を待つことになりますので、回収作業は不要です。
回収したアンケートの内容確認を通じて、読者の満足度や改善への要望などを把握していきます。
またフィードバックとして次号に掲載するアンケート回答の内容を選定し、社内報の運営につなげていきます。

・フィードバックを行う

第6ステップは、フィードバックを行うことです。
回収したアンケートの結果を元に、新たな企画やテーマの構想を練ったり、レイアウトやデザイン、構成などを改善していきます。
特にアンケートで提案された企画やアイデアは、貴重なストックとなり、将来のコンテンツ作成に役立てることができます。
また、アンケートを通じて表面化した社員の不満や改善要望には真摯に耳を傾け、できる限り素早く適切な対策を講じることが重要です。
読者の声を取り入れることで、より満足度の高い社内報を提供することができるでしょう。

社内報のアンケートに記載しておきたい項目

読者アンケートを実施する際には、効果的な回答を得るために、どのような質問を入れれば良いか悩まれる担当者も多いでしょう。
アンケートに記載しておきたい項目は次の6つです。
 ・アンケートの目的
 ・回答の所要時間
 ・回答者の属性情報
 ・社内報の評価 社内報のコンテンツについての質問
 ・今後取り上げてほしい企画
 ・お礼の言葉

・アンケートの目的

記載しておくべき1つ目の項目は、アンケートの目的です。
例えば、次のような文面を記載します。
「社内報制作チームでは、皆さまからのご意見を募集しております。いただいた回答に基づき、企画内容の見直しに役立てていきます。以下5項目になりますが回答のほどよろしくお願いいたします。」
企画の見直しと改善を行うなど、アンケートを実施する目的を必ず記載しましょう。

・回答の所要時間

2つ目の項目は、回答の所要時間です。
実際のアンケート回答にかかる時間は大体どれくらいか、例えば「5分程度など」を記載します。
回答者にとって所要時間が予想できることで、忙しい日常の中でもアンケートに参加しやすくなります。

・回答者の属性情報

3つ目の項目は、回答者の属性情報です。
年代、性別、所属部署、回答を掲載する際のニックネーム名等を項目として入れていきます。
属性情報は、読者層の特性や好みを把握するための貴重な手がかりとなります。
年代別での記事受けの違いや、異なる属性間の興味関心の違いを理解することで、よりターゲットに合った内容を提供することができるでしょう。

・社内報の評価や掲載コンテンツに対する質問

4つ目の項目は、社内報の評価や掲載コンテンツに対する質問です。
読者の反応や評価を具体的に把握するために重要です。
例えば、どの記事が面白かったか、印象に残った記事、読むのにどれくらい時間がかかったか、読んだタイミング、など人気の記事や企画、不人気のテーマなどを把握することで今後に活かしましょう。

・今後取り上げてほしい企画

5つ目の項目は、今後取り上げてほしい企画です。
読者が答えてくれれば、回答者へ連絡するきっかけにもなり、従業員とのコミュニケーションがうまれます。
寄せられたアイデアや情報は、新たなコンテンツや企画の素材になります。
社内報をより従業員参加型のものにし、従業員とのインタラクティブなコミュニケーションを深める手助けにもなるでしょう。

・お礼の言葉

6つ目の項目は、お礼の言葉です。
回答者への感謝の気持ちを込めたお礼の言葉を必ず記載しましょう。
例えば次のような文面です。
「ご協力いただきありがとうございました。皆さまからいただいた貴重なご意見は、今後の社内報の向上に大いに活かさせていただきます。引き続きよろしくお願い申し上げます。」
たった数行でも、あるとないとでは回答する側の意識やモチベーションが大きく変わります。

実施するときの注意点

社内報のブラッシュアップに読者アンケートは非常に有効です。読者の声を直接反映させることで、内容や形式の改善が可能となります。
ですが、実施する際にはいくつかの注意点があります。
 ・目的を明確にする/アンケートの目的を伝える
 ・質問項目をシンプルにする
 ・回答したくなる工夫をする
 ・匿名性を保証する
 ・アンケート結果を次号以降に反映させる
 ・定期的に実施する

・目的を明確にする

アンケート実施するときの1つ目の注意点は、アンケートの目的を明確にすることです。
によって何を得たいのかを明確にすることです。
例えば、新しい企画案を募集したいのか、リニューアルの方向性を決定したいのか、など実施することで何を得たいのかを決めておくことです。
目的を明確にしておくことで、回答から意図した結果を得ることができ、アンケートの成果を次のステップにつなげることができます。

・質問項目をシンプルにする

2つ目の注意点は、質問項目をシンプルにすることです。
アンケートに回答するには時間や手間がかかります。
面倒くさいと感じたり、手間がかかることで回答を避ける読者が多いかもしれません。
アンケートの回答率を向上させるためには、読者の負担を軽減しつつ、気軽にアンケートに回答してもらうための工夫が必要です。
質問項目をシンプルでわかりやすく設定し、回答も選択肢から選ぶだけで済む形式にすることで、多くの回答を収集することができます。
設問数も適切な範囲に抑え、数分程度で回答できるようにすると良いでしょう。

・回答したくなる工夫をする

3つ目の注意点は、回答したくなる工夫をすることです。
任意のアンケートは、社内報への興味や回答のメリットが薄い場合、回答率が低い可能性があります。
特に自由記述のアンケートは回答に時間がかかることがあり、そのため回答率が低くなることがあります。
質問を「はい・いいえ」の形式にする、選択肢を用意するなどの工夫が効果的でしょう。
また、回答率を向上させるためには、回答したくなるような仕掛けを考えることも重要です。
アンケートの集まりが思うように進まない場合、回答率を向上させるためにプレゼント企画などの施策を検討してみることも一つの方法です。

・匿名性を保証する

4つ目の注意点は、匿名性を保証することです。
アンケートには個人的な希望や批判的な意見が含まれることがあります。
回答は制作担当者だけでなく、時には社内報に掲載されることもあります。
回答者の個人情報や意見が特定されることで、回答者自身に問題が生じる可能性があります。
このような事例があると、将来的に回答者がアンケートに対して協力的でなくなるリスクが考えられます。
匿名性が確保された上での回答を促すメッセージを添えたり、開示される情報が限定的であることを明示するなど、安心して回答できるような設問内容や記述方式の設定、回収方法を考えましょう。

・結果を社内報に反映させる

5つ目の注意点は、結果を社内報に反映させることです。
アンケートを実施する目的は、単にアンケート自体を行うことではなく、その結果を次号以降の社内報に活かすことにあります。
アンケートで得られた意見や提案は、できるだけ早く社内報へ反映しましょう。
特に新しい企画やアイデアを募集する際には、アンケートから採用となった回答者には御礼を述べ、場合によっては追加でヒアリングを行ったり、従業員を巻き込んで作り上げる雰囲気づくりも大事です。
アンケートの結果を基に具体的な改善策や新たな企画を計画し、読者の声をしっかりと反映させましょう。

・定期的に実施する

6つ目の注意点は、 定期的に実施することです。
アンケートはただ回収するだけで終了、というわけではありません。
特にコンテンツを改善したり、社内報のブラッシュアップに重点をおきたい場合、継続して見直す必要があるため、アンケートも定期的に実施して、その結果をもとに社内報を向上させていくことが大切です。
また、社内の状況や読者層が変化することを考慮すると、アンケートの頻度も重要です。
新たな社員が入社し、読者のニーズや関心事が変わることがあるため、適切なタイミングでアンケートを実施し、最新の情報やフィードバックを収集しましょう。
具体的な頻度については、誌面全体の改善に関するアンケートは1年に1回や2年に1回など、長めの間隔で実施するのが一般的です。
一方、新しいアイデアを募るアンケートは、特定のプロジェクトに合わせて半年に1回など、目的に応じて調整すると良いでしょう。

    まとめ

    社内報のアンケートは、読者の本音を知る貴重な機会です。
    より良い社内報を作成するためには、回答率を向上させるための工夫や目的に沿ったアンケートの実施が効果的です。
    そして、社内報を読まれる価値のあるものにするためには、読者の声に耳を傾けることが大切です。
    要望や意見、不満点などを集約し、これらを次号以降の制作に活かすことで、より多くの人に読まれる社内報へブラッシュアップすることができます。
    アンケートの結果を真摯に受け止め、社内の情報共有やコミュニケーションの強化に活かしていきましょう。

    読者アンケートをまだ実施した経験のない担当者の方は、今回ご紹介した手順などを参考にしてみてください。

      マーケティング部 ディレクター 村上恵美

      筆者:マーケティング部 ディレクター 村上恵美

      音楽配信サイトのプロモーションチームに配属。ECサイト運営をしながら、主にアーティストのキャッチコピーなどライティング業務にも従事。2021年 「"はたらき"から、笑顔を」という会社のビジョンを熱く語る上司に魅了されスカイアークへ入社。マーケティング本部へ配属し、自社プロダクト「SOLANOWA」のシェア拡大、およびメディア「BlueNote™」の認知拡大に向けたコンテンツ強化を中心に、プロモーション業務全般のディレクションを担当。

      お役立ち資料

      護離職を防ぐビジネスケアラー支援

      介護離職を防ぐビジネスケアラー支援

      高齢化社会で増加するビジネスケラーの現状と、企業が今すぐ取り組むべき仕事と介護の両立支援策を解説します。

      エンゲージメントを高める7つの方法

      なぜ社員のエンゲージメントが重要視されるのか?時代背景から課題や7つの施策までを一冊にまとめたeBookです。

      人気の福利厚生!事例100選

      人気の福利厚生!事例100選

      働きやすい会社の秘訣とは?従業員満足度向上に効果的な福利厚生のアイデアと事例100選をご紹介します。

      人的資本経営を学ぶ!事例32選

      人的資本経営を学ぶ!事例32選

      人材と企業の価値を上げていく人的資本経営とは何か?メリットや人的資本の情報開示の成功事例などをまとめました。

      アルムナイ採用の成功事例<20選>

      アルムナイ採用の成功事例<20選>

      質の高い人材確保のためにアルムナイ採用をどう取り入れるべきか?実施のステップや成功事例をまとめました。

      リスキリング推進の秘訣!事例30選

      リスキリング推進の秘訣!事例30選

      リスキリングに成功する企業の共通点は?DX人材の育成を阻害する原因と対策、推進するステップをまとめました。

      もっと見る