企業と社員にとって大切な「経営理念」について

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突然ですが、いま働いている企業へ入社を決めた理由は何ですか?

やりたい仕事だったから。
経験が活かせるから。
商品やサービスが好きだったから。

さまざまな理由があると思いますが、企業のことを何も調べず知らないまま入社を決めることはあり得ないですよね。企業を知りたいとき、一つの指針となるのが「経営理念」です。経営理念には企業の事業方針や方向性が明文化されているので、自ずと企業を知ることができます。

では、続いての質問です。
「自分が働いている会社の経営理念を知っていますか?」

確かに聞いた・知っていたはずの経営理念を忘れてしまっていないでしょうか。もし、同じ質問をして、社員のほとんどが答えられないとしたら......。経営理念が浸透していないということは、企業としてインナーブランディングが滞ってしまっているサインです。経営理念が企業活動において重要である理由を、この機会に振り返ってみましょう。

混同しやすい経営理念と企業理念の違いについて

経営理念という言葉にある「理念」とは、特定の物事に関する根本的な考え方という意味があります。つまり、経営理念とは「経営に関する根本的な考え方」を明文化したものです。経営に関する考え方とは、事業を継続し顧客の獲得と利益を拡大していくための目標や方針を示しています。
とは言え、日常の具体的な業務内容を示したものではなく、どちらかと言えば抽象的かつ道徳的な意味合いを含む場合が多いです。経営理念は、経営者含め全ての社員に共通する行動指針や判断基準として提示されるものだと言えます。

経営理念と混同しやすい言葉で「企業理念」があります。明確な違いは定義されていませんが、経営理念と企業理念を分けている企業では2つの理念をあえて区別化しているのが現状です。経営者としての考えが経営理念であるのに対し、企業としての在り方や価値観を示すものを企業理念だと区別していることが多いようです。

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経営理念が必要な5つの理由

では、経営理念はなぜ必要なのでしょうか?経営理念を策定する目的やメリットは主に以下の5つがあげられます。

  1. 企業の方向性や社員の行動方針・判断基準が明確になる
    企業の目指す方向性や理念を決めておくことで、経営者含め社員が判断に迷った際の基準になります。経営方針に従うことで社員一人ひとりが遂行すべき業務を意識することができ、業務上で直面する迷いや不安を解消することに繋がります。また、明確な判断や行動の基準があることで、社員は自発的に行動することができます。職場に対して「成長できる・活躍できる場所」と感じるようになり、社員のエンゲージメントが高まります。

  2. 社員のモチベーションが向上する
    経営理念による価値観や行動指針を持つことで社員同士の連帯感が高まり、企業活動における一体感を得やすくなります。社員が自身の業務に対する存在意義や貢献を感じることができるようになると、仕事のモチベーションが向上します。責任感を促す効果もあるので、コンプライアンスの遵守にも繋がります。

  3. 人材確保に役立ち離職率の抑制に繋がる
    経営理念があることで社員が判断を迷わず実力を発揮しやすくなります。実績や評価が上がることで社員のモチベーションと企業に対する愛着心が高まり、離職率の抑制に繋がります。また採用活動の場面でも、経営理念をアピールすることで自社の価値観や行動方針に共感する人材を集めることができます。雇用のミスマッチ防ぐと共に採用後の人材の定着を促す役目も果たすため、離職率が低い組織づくりの基盤となります。

  4. 企業ブランディングの強化と企業価値の向上
    経営理念として企業の価値観や方向性を明確に表明することは社会へのアピールにもなり、企業のブランドイメージや企業価値の向上に繋がります。企業価値が上がれば顧客を獲得しやすくなり、業績や売上アップも期待できます。同時に理念に共感した顧客を掴み、認知アップと企業のファンづくりという役割も果たします。

  5. 他社との差別化をはかり経営戦略となる
    あらゆる製品やサービスのコモディティ化が進む現在では、顧客からは企業独自の売りや違いが見えづらくなっています。経営理念として他社にはない独自の強みを目指しアピールすることで差別化をはかることができます。そしてこの差別化をはかる経営理念そのものが企業の成長の指針となり、戦略にもなります。

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経営理念を浸透させる4つの方法とは?

企業活動において必要不可欠な経営理念ですが、社員へ浸透させるためには何をしたら良いのでしょうか?理念浸透へ有効な施策として以下の4点があげられます。

  1. 社員へ説明する機会を設ける
    経営理念を作成する立場である経営陣が中心となり、社員に対して積極的に働きかけるようにしましょう。まずは社員へ経営理念の意味や作成した意図などを説明する機会を定期的に設けることが有効です。社員総会など多くの社員社員が集まる場で経営理念について説明することも効果的です。

  2. 社内報や社内ポータルの活用
    社内に向けた情報発信として社内報や社内ポータルを活用し、経営理念を周知していく方法です。社内報は定期的に発行するものなので、情報の鮮度が高く社内で起きている問題や現状にいち早く訴えかけることができます。社内報で経営理念の説明をしたり、理念に沿った行動で成果をあげた社員の紹介記事などを掲載することで、経営理念を普及させやすくなります。社内ポータルサイト内なども利用し、経営層によるコラムとして経営理念について説明する施策も効果的です。テレワーク化が進む中では社員が一同に会し経営陣の話を聞く機会が減少する点からも、自由なタイミングで閲覧できることは大きなメリットになります。

  3. 評価制度に取り入れる
    経営理念に沿った行動や判断を行えるよう社員一人ひとりの自覚を促す必要があります。日々の業務と同様に経営理念は大事なものだと認識してもらうためには、経営理念を評価制度に取り入れることも有効です。「経営理念に沿った」行動を体現できているかを評価の一貫として取り入れると、社員も自身の評価に繋がるため理念浸透に積極的になります。経営理念に基づいた行動を意識することで社員の自主的な行動を促すことにも繋がります。

  4. 経営理念を学ぶ機会を設ける
    終身雇用や年功序列がなくなりつつある現在は、転職が一般的になりました。中途採用が増えることからも、新卒採用時だけではなく全ての新入社員に向けて最初のアクションが鍵となります。オン・ボーディングで経営理念について学ぶ機会を設けることで、新入社員は企業の考え方や方針を早期に知ることができます。どのような働き方や行動が求められるか把握しやすくなることは仕事へのモチベーションにも繋がります。結果として、企業が存続するうえでは欠かせない人材の確保と定着への効果が期待されます。

まとめ

近年ではSDGsの考えを経営理念に採り入れる企業も増加しています。しかし、どんなに高尚な理念を掲げていても浸透していなければ意味を持ちません。浸透させるためにできることは、どれも企業活動の中で実行しやすい身近な施策です。知ってもらうためには、まずは「経営理念とは何か」を社員に向けて発信していくことが欠かせません。社内報や社内ポータルを運用している企業は、その情報発信ができるチャンスがすでにあるということです。理念の浸透は組織を強くするための地盤になると心得ている企業だけが、これからの時代に生き残っていくのかもしれません。

マーケティング部 ディレクター 村上恵美

筆者:マーケティング部 ディレクター 村上恵美

音楽配信サイトのプロモーションチームに配属。ECサイト運営をしながら、主にアーティストのキャッチコピーなどライティング業務にも従事。2021年 「"はたらき"から、笑顔を」という会社のビジョンを熱く語る上司に魅了されスカイアークへ入社。マーケティング本部へ配属し、自社プロダクト「SOLANOWA」のシェア拡大、およびメディア「BlueNote™」の認知拡大に向けたコンテンツ強化を中心に、プロモーション業務全般のディレクションを担当。

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