読まれる社内報をつくるための7つの基本ステップ 〜はじめての社内報担当シリーズ

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多くの企業にとって、社内報は社員とのコミュニケーションツールとして重要な役割を担っています。
社員のモチベーション向上や、企業理念やビジョンを共有し浸透させたり、組織の士気を高めるといったさまざまな効果が期待できるツールなのです。

しかし、せっかく作成した社内報が読まれずに終わってしまうケースも少なくありません。
いざ社内報担当になってみると、何を書いていいのか、どのように作ればいいのか悩んでしまう方も多いでしょう。

そこで今回は、はじめて社内報担当になった方でも、明日から実践できる社内報の作り方を7つのステップでまとめました。

社内報の目的とは?

    社内報は、企業にとって様々なメリットをもたらす重要なツールです。
    その中でも、特に重要な5つの目的をまとめました。

    ・経営理念・ビジョンを浸透させ、一体感を醸成する

    経営理念やビジョンは、企業の羅針盤です。
しかし、社員一人ひとりに浸透していなければ、ただの絵空事になってしまいます。
    社内報は、経営者の言葉や具体的な事例を通して、理念やビジョンの本質をわかりやすく伝え、社員の理解と共感を促進します。
    理念やビジョンを共有することで、社員は「自分が何のために働いているのか」「この会社の一員として何をすべきか」を明確に認識することができます。
    その結果、一体感が生まれ、組織全体のパフォーマンス向上へと繋がるのです。

    ・社内の情報や出来事を共有する

    社内には、様々な情報が飛び交っています。
    しかし、必要な情報が社員に届いていない、誤解が生じている、といったケースも少なくありません。
    社内報は、経営情報、人事情報、各部署の活動内容など、あらゆる情報を社内報で共有することができます。
    情報格差をなくし、全社員が同じ方向を向いて仕事に取り組むことができるようになります。

    ・モチベーションを高め、イノベーションを促進する

    従業員一人ひとりのモチベーションは、企業の活力の源泉です。
    社内報で従業員の活躍事例やインタビューなどを掲載することで、ロールモデルとなる社員を紹介し、他の従業員のモチベーションを高めます。
    さらに、企業理念に基づいたチャレンジや、新商品・サービスの開発秘話などを紹介することで、社員の仕事への意欲を高め、イノベーションを促進する効果も期待できます。
    また、企業の取り組みや社会貢献活動などを紹介することで、仕事への誇りを育むこともできます。

    ・従業員エンゲージメントの向上

    社内報は、従業員同士のコミュニケーションの場としても活用できます。
    従業員の趣味や特技といった、人となりを紹介するコーナーを設けたり、アンケートを実施したりすることで、社員同士の交流を促進することができます。
    Web社内報であれば、いいねボタンや記事へのコメントをつけたり、従業員が主体的に参加できる社内報作りを目指しましょう。

    ・企業ブランディング

    社内報は、社内だけでなく、社外へのブランディングツールとしても活用できます。
    企業理念やビジョン、CSR活動、社員の働きがいなどを発信することで、企業の魅力を広く伝え、優秀な人材の獲得や顧客との信頼関係構築に繋げることができます。
    近年では、Web媒体を活用した社内報も増えています。Webであれば、時間や場所の制約なく、より多くの人に情報を届けられるというメリットがあります。
    また、動画やSNSとの連携も可能になり、より効果的な情報発信が可能になっています。

    社内報制作の基本的な7つのステップ

    いざ社内報の担当になると、どこから始めればいいのか悩むという方も多いと思います。
    ここでは、はじめて社内報担当になった方でも、明日から実践できる、紙の社内報とWeb社内報に共通する社内報の作り方を7つのステップでまとめました。

    1. 基本設計を決める

    まず、社内報の目的やターゲット読者層、紙媒体かweb媒体かを明確にします。目的によって必要な情報や記事の内容が異なってきますので、関係者としっかりと議論しましょう。紙媒体とWeb媒体それぞれの特徴を活かし、それぞれの読者層に効果的に情報を届けられるようにしましょう。

    関連記事:Webか紙か?知っておきたい両メディアの強みと違い

    2. スケジュールを立てる

    記事の企画から発行までにかかるスケジュールを立てます。紙の場合は、年間何冊発行するか、Web社内報の場合は更新回数の大枠を決め、スケジュールを立てます。特に紙の場合は、月刊、隔月刊、季刊など、発行頻度によって制作スケジュールが大きく変わってくるので、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。また、取材や執筆には時間がかかる場合があるので、早めにスケジュールを立てておくようにしましょう。

    3. 企画を立てる

    ターゲット読者層が興味を持ち、読んでもらえるような企画を立てます。記事の種類としては、経営層からのメッセージ、新商品の紹介、社員インタビュー、社内イベントレポートなどがあります。読者の興味を引くような、タイムリーなテーマを選びましょう。

    4. 取材・執筆する

    企画に基づいて、取材や執筆を行います。取材対象者への事前準備や、わかりやすく読みやすい文章を書くことを心がけましょう。写真やイラストなども積極的に活用すると、記事がより魅力的になります。

    5. デザインする

    記事の内容に合ったデザインを作成します。紙媒体の場合は、レイアウトやフォント、色使いなどを工夫しましょう。Web媒体の場合は、レスポンシブデザインを採用し、様々なデバイスで閲覧できるようにしましょう。読みやすさや操作性を考慮したデザインにすることが重要です。

    6. 校正する

    誤字脱字や事実誤りがないか、丁寧に校正を行います。複数人で校正を行うと、異なる視点からチェックできるため、より漏れを防ぐことができます。

    7. 印刷・配布する

    紙媒体の場合は、印刷業者に依頼して印刷します。Web媒体の場合は、専用のサービスサイトや社内ポータルサイトなどに掲載します。読者に確実に届くように、配布方法を工夫しましょう。特にWeb社内報の場合はプル型メディアのため、読みに行ってもらうアクションが必要です。プッシュ通知などを活用し、更新を告知することもおすすめです。

    読まれる社内報にするための5つのポイント

    せっかく時間と労力をかけて社内報を制作しても、読まれなければその効果は半減してしまいます。
    ここでは、読まれる社内報を作るための5つのポイントをまとめていきます。

    1:読みたくなる魅力的な書き出し

    記事の冒頭は、読者が最初に目にする部分です。読者の興味を引くためには、書き出しが非常に重要です。単調な見出しやよくあるフレーズではなく、思わず読み進めたくなるような文章を心がけましょう。

    具体的なエピソードや数字を使う
    単なる事実よりも、具体的なエピソードや数字を用いることで、読者の興味を惹きつけ、記事の内容をよりリアルに伝えることができます。
    疑問形や驚きの表現を使う
    疑問形や驚きの表現を使うことで、読者の思考を刺激し、記事の内容について考えさせることができます。
    ユーモアや共感を意識する
    適切なユーモアや共感を意識することで、読者に親近感を与え、記事への関心を高めることができます。
    など、様々な方法で書き出しを魅力的にすることができます。

    2: 文字とビジュアルのバランスが良い

    文字ばかりだと読みづらく、イラストや写真ばかりだと情報量が少ないと感じてしまいます。文字、イラスト、写真をバランス良く配置することで、読みやすく、かつ情報量豊富な記事になります。
    文字量が多すぎると読者は読むのを諦めてしまうため、記事の内容を簡潔にまとめ、重要なポイントを強調することが重要です。また、文章だけでなく、写真やイラストなどのビジュアルを活用することで、記事の内容をより分かりやすく、読みやすくすることができます。

    見出しや箇条書きを活用する
    見出しや箇条書きを活用することで、記事の構成を分かりやすくし、読者が内容を把握しやすくなります。
    写真やイラストを効果的に配置する
    写真やイラストは、文章だけでは伝えきれない情報を補ったり、記事にメリハリを与えたりすることができます。
    白黒とカラーのバランスを考える
    白黒とカラーのバランスを意識することで、記事全体の読みやすさを向上させることができます。
    など、工夫次第で記事をより魅力的にすることができます。

    3:結論ファーストで記事を構成する

    読者である従業員は忙しいので、すぐに結論を知りたいものです。結論を先に述べ、その後で詳細を説明する結論ファーストの構成を心がけましょう。また、結論ファーストで記事を構成することで、読者の興味を維持し、最後まで読み進める可能性を高めることができます。

    冒頭に結論を簡潔にまとめる
    冒頭に結論を簡潔にまとめることで、読者はすぐに記事の内容を把握することができます。
    結論を裏付ける根拠を後述する
    結論を裏付ける根拠を後述することで、読者は記事の内容をより理解しやすくなります。
    結論を再確認する
    記事の最後に結論を再確認することで、読者の記憶に定着しやすくなります。
    など、読者が理解しやすいように構成を工夫しましょう。

    4:読者である従業員の共感を呼ぶ内容にする

    社内報は、従業員の共感を呼ぶ内容であることが重要です。そのため、記事の内容は、従業員にとって身近で、興味のあるものである必要があります。

    従業員インタビューや座談会を取り入れる
    従業員インタビューや座談会を取り入れることで、従業員の生の声を伝えることができます。
    社内のイベントや取り組みを紹介する
    社内のイベントや取り組みを紹介することで、一体感を高めることができます。
    従業員の悩みや疑問に答える
    従業員の悩みや疑問に答えることで、社員の共感を呼ぶことができます。
    など、従業員の共感を呼ぶ企画を考案しましょう。

    5:双方向のコミュニケーションを図る

    社内報は、一方通行の情報発信ツールではありません。読者からの意見や感想を積極的に取り入れ、双方向のコミュニケーションを図るようにしましょう。

    読者アンケート
    記事の内容に関するアンケートを実施したり、読者の意見を募集するコーナーを設けたりすることで、双方向のコミュニケーションを促進することができます。
    SNSとの連携
    社内報の内容をSNSで共有したり、コメント欄で意見交換できる場を設けたりすることで、より多くの人に情報を届けることができます。
    いいねやコメントなどを活用する
    Web社内報の場合は、いいねやコメントなどリアクション機能を活用することで、よりインタラクティブなコミュニケーションが可能になります。
    など、双方向のコミュニケーションを図ることで、社内報をより活発なものにすることができます。

    成功する社内報運用のコツ

    読まれないことには、その効果が半減してしまうのが社内報です。
    成功する社内報の運用に必要なのは一体どんなポイントなのでしょうか。
    最後に、実際に社内報を効果的に運用していくためのコツをまとめていきます。

    ・紙とWebどちらが適しているか決めること

    まず最初のコツは「紙とWebどちらが適しているか決めること」です。社内報の目的や対象者のニーズに合わせて自社に最適な配信方法を選ぶためです。例えば、デジタルネイティブが多い職場であればWeb媒体が適しているかもしれませんが、紙媒体の方が読みやすいと感じる従業員が多い場合は紙を選ぶ方が効果的なこともあります。

    ・効果を測定すること

    2つめのコツは、社内報の「効果を測定すること」が必要です。従業員の声や意見を収集することで、コンテンツの改善点や新たなニーズを把握できます。アンケートやフィードバックフォームを活用し、従業員が自由に意見を言える環境を整えることがポイントです。

    ・定期的に発行すること

    3つめのコツは、社内報を「定期的に発行すること」です。発行頻度を決め、そのスケジュールを厳守することで、従業員にとって信頼できる情報源として位置づけられるようになります。定期発行は、従業員が社内報を待ち望む習慣を形成する一方で、内容の質を維持するための内部体制の整備にも寄与します。定期発行を確保するためには、社内報チームの体制を整え、スケジュール管理を徹底することが不可欠です。

    関連記事:定期更新とプッシュ通知で読まれるWeb社内報へ!

    ・リソースが限られている場合は外注も検討すること

    4つ目のコツは、社内報の「リソースが限られている場合は外注も検討すること」です。社内報の制作には、企画、編集、執筆、デザインなど、さまざまな作業が必要です。制作や運用に時間や人員が足りない場合は、外部サービスを利用することも検討しましょう。外注することで、時間や人員を節約することができます。
    注意点として、社内報は企業の想いを従業員に届けることを目的としているものなので、全てを外注してしまうことはあまりお勧めできません。文章作成などは自社で行い、工数のかかるデザインなどを外注するなど、自社で原稿を作成するバランスを調整して進めていくと良いでしょう。

    まとめ

    社内報は、単なる情報伝達のツールではありません。
経営理念やビジョンを浸透させ、社員の一体感を醸成し、モチベーションを高めるなど、組織の活性化に重要な役割を果たします。
    効果的な社内報は、社員の心に響き、行動を促す力を持っています。
しかし、せっかく発行しても、読まれなかったり、内容が伝わらないという状況では、せっかくの効果が得られません。

    しかし、社内報運用は決して簡単ではありません。 継続的な努力と改善が必要です。
    そこで、最後に、活きた社内報を作るための3つのマインドセットをお伝えします。

    1. 読者目線に立つ
    社内報は、誰のために作っているのかを常に意識しましょう。それは、経営層ではなく、現場で働く社員一人ひとりのためにです。読者のニーズや関心事を理解し、共感を呼ぶような内容作りを心がけましょう。
    2. 常に新しいことに挑戦する
    社内報は、時代に合わせて変化していく必要があります。新しいメディアを取り入れたり、斬新な企画を立ち上げたり、常に新しいことに挑戦する姿勢が大切です。
    3. 楽しむこと
    社内報作りは、楽しくなければ続きません。自分自身が楽しみながら、社員も楽しめるような社内報を作りましょう。

    この3つのマインドセットと今回ご紹介したポイントを参考に、魅力的で読みやすい社内報を制作し、効果的に運用することで、社員とのコミュニケーションを活性化し、組織の成長を加速させましょう。

    マーケティング部 ディレクター 村上恵美

    筆者:マーケティング部 ディレクター 村上恵美

    音楽配信サイトのプロモーションチームに配属。ECサイト運営をしながら、主にアーティストのキャッチコピーなどライティング業務にも従事。2021年 「"はたらき"から、笑顔を」という会社のビジョンを熱く語る上司に魅了されスカイアークへ入社。マーケティング本部へ配属し、自社プロダクト「SOLANOWA」のシェア拡大、およびメディア「BlueNote™」の認知拡大に向けたコンテンツ強化を中心に、プロモーション業務全般のディレクションを担当。

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