読まれる社内報を作るために必要な5つのポイント

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社内の情報共有を円滑にしたり、コミュニケーションを活性化させたり、社内報は企業活動を行うために欠かせないツールです。昨今の日本では、ニューノーマルな働き方が普及し始めると同時に情報共有が難しくなり、遮断されがちなコミュニケーション課題の解決策として社内報を活用したいと考える企業が増加しています。
また、これまで紙媒体のみの社内報を運用していた企業も次々とデジタル化を検討し始め、Web社内報を筆頭にしたオンライン配信と紙の社内報を併用するケースも増加傾向にあります。

社内報の役割とは?

企業活動における「社内報の役割」は別コラム「6つの目的から読み解く「社内報の役割」とは?」にもまとめましたが、主に以下の6つのポイントが挙げられます。

  1. 情報の共有と発信・保管
  2. 社内コミュニケーションの活性化を促進
  3. 理念浸透や経営者と社員の相互理解を深める
  4. 社員のモチベーションアップにつながる
  5. 社員の家族に向けた情報提供
  6. 採用ツールやブランディングに役立つ

この6つのポイントをはじめとした社内報の役割とその目的は企業によって実にさまざまですが、1つだけ、どの企業にも共通して言えることがあります。それは、どの企業の社内報も「従業員に読んでもらえなければ」その役割や目的、そして効果を果たせない、ということです。

では、読まれる社内報を作るにはどのようにしたら良いのでしょうか?社内報を作る時に気をつけておきたい5つのポイントなどをまとめてみました。

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Web社内報と紙の社内報、読まれ方の違いについて

社内報の媒体には、大きく分けて印刷して配布する紙媒体とWeb社内報の2種類があります。一言に社内報と言っても紙の社内報とWeb社内報とでは、その「読まれ方」が違っています。紙は「プッシュ型」メディアと呼ばれ、読み手である社員が自ら何もせずとも手元に配られることで、目を通しやすい特徴があります。対してWebは「プル型」メディアで、自分からサイトへ読みに行かなければならず、目を通すための行動が必要です。紙の場合は、手に取るついでにパラパラと中身を読んでもらえる確率は高くなりますが、Webは指定のページにアクセスし目当ての記事をクリックする過程があって読まれるという両者の違いを認識しておきましょう。

紙の社内報はプッシュ型メディアで閲覧率が高いと同時に、職場の環境(PCの有無など)に影響を受けず、好きな時間や場所で読めるメリットがあります。持ち帰ることができるので、社員とその家族にも読んでもらうことが可能です。社員以外のOBへ配布したり、取引先や採用活動の場で企業の紹介や周知に使いやすいメディアでもあります。デメリットは、時間とコストがかかることです。情報をタイムリーに届けることは難しく、完成品を遠方の支社や社員に届けるためには配送料もかかります。

対して、プル型メディアと呼ばれるWeb社内報のメリットといえば、いつでも更新ができる速報性とスピード感です。リアルタイムの情報配信に強く、動画や音声など多彩なコンテンツで情報を発信することが可能です。PCやスマホ、タブレットなど複数のデバイスから閲覧できるのも利便性が高いです「いつ誰が何の記事をどのくらい見たか」という効果測定を数値化し把握できるのもWebならではのアドバンテージです。デメリットとしては、社員にアクセスしてもらわなくてはならず、情報を更新するだけでは気付いてもらえない点などがあります。しかし、昨今のWeb社内報サービスでは通知機能を搭載しているサービスが大半のため、このデメリットは解消されつつあります。

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読まれる社内報にするために必要な5つのポイントとは?

社内報の目的や、媒体による読まれ方の違いについて理解はしていても、実際にそれを読んでもらえなければ用を成さないものになってしまいます。
社内報を読んでもらうには、読者である従業員が読みたくなるような工夫が必要です。
読まれる社内報を作るために気をつけておくべき5つのポイントをしっかりと押さえておきましょう。

  1. 発行の目的やターゲット・コンセプトを明確にする
    社内報の読者は主に自社の従業員ですが、読んでもらえるならばどんなものでも構わない、というわけにはいきません。
    社内報も一般的な雑誌のように読者層(ターゲット)を想定し、発刊の目的やコンセプトを明確にすることが重要です。
    「誰に、何を、どのように伝えるための社内報なのか」といった「5W2H」の各要素が明確になっていないと、読者に「刺さらない」コンテンツを量産してしまうことに。
    社内報における「5W2H」の考え方についてはコラム「社内報でも活かせる「5W2H」メソッド」にもまとめてありますので、ぜひご一読ください。
    そして、ターゲットやコンセプトを想定する場合、多くの企業が陥りやすいパターンとして「全員に読んでもらいたい」が故に広く設定しすぎてしまう盲点があります。
    もちろん、社内報は「全員に読んでもらう」ために発行するものですが、Z世代と呼ばれる20代前半の若い世代や20代半ば~30半ばのミレニアル世代、30代~50代のミドル世代、さらに上のシニア世代が混在する企業というフィールドでは「全員に刺さるコンテンツ」というのは幻のようなもの。
    一般的には、デジタルネイティブと称されるZ世代やミレニアル世代と他の世代では情報へのアプローチ手段が異なると言われています。
    デジタルネイティブ世代はSNSや動画で情報にアクセスすることに馴染みがあるのに対し、ミドル世代はネットは使いこなすものの、テレビや雑誌、新聞といったメディアの影響を色濃く受けた世代です。
    社内報で言えば、デジタルネイティブ世代はアプリでの閲覧に慣れている・好む傾向があり、ミドル世代はアプリよりはWebが多勢で紙の社内報の愛好家も多い、といった具合です。
    こうした違いがある全世代、すなわち全員が等しく読みたくなる・刺さるコンテンツを社内報で用意することは容易いことではありません。
    実は、この盲点は、とても簡単に解決することができます。
    それは「コンテンツごとにターゲットやコンセプトを設定」すること、これで良いのです。
    社内報の全ての記事に対して100パーセント全従業員に読んでもらう、という作り方をするよりも、「この企画は新入社員に読んでもらいたい」「キャリア形成の途中にある社員に伝えたい」「リーダー的ポジションの社員に読んでもらいたい」といった具合に、企画やコンテンツごとにターゲットやコンセプトを設定する方が刺さりやすいのです。
    もちろん「これは全員に読んでもらいたい」という記事は今まで通りあって良いのです。
    アプリで読む層に向けた企画、Webで広く読んでもらいたい企画、あえて紙で持ち帰って従業員の家族にも読んでもらいたい企画、大まかにターゲットやコンセプトを分けるだけで、さまざまな企画が見えてきませんか?
    1つ1つの企画やコンテンツ単位で、ある程度のターゲットやコンセプトの絞り込みをすることが、読まれやすい社内報を作る上で1つのキーポイントになります。

  2. デザインやレイアウトを整える
    社内報を読んでもらうためには、「読みたくなる」「読みやすい」デザインやレイアウトが必要です。
    情報が整理されていない媒体は、それだけで読者から避けられがち。テキストばかりのレイアウトだったり、写真やイラストを多用しすぎたごちゃごちゃとしたデザインでは、読者である従業員から「読みたい」と思ってもらえません。
    紙の媒体でもWebの媒体でも、「読みたくなる」「読みやすい」社内報にはトーン&マナーと呼ばれる統一性を持たせることがポイントです。
    それは、どんな社内報を届けたいのか?という発刊の目的やコンセプトを考えることにも通じるものがあります。
    詳しくは別コラム「視線を掴むレイアウトで読まれるWeb社内報へ」にまとめましたので参考にしてみてください。
    他にも読みたくなるようなタイトルを考えることや情報を正確に伝えるために必要な写真や図を適切に選ぶことも大切な要素です。
    ちなみに、社内報コンテンツの定番でもあるインタビュー記事は、写真の向きも重要なチェックポイントです。
    特に経営理念などより伝えたい記事の場合は、被写体の人物がカメラをにしっかりと向いているアングルの写真を使うことがベターと言われています。
    これは被写体の目線が外れていると、自分に向かって話しかけられていると感じなくなるからだそうです。

  3. 「自分ごと」として共感できる記事を作る
    社員にとって身近に感じられるコンテンツを提供することができれば、社内報の存在とその価値は上がっていきます。
    社内報の定番コンテンツでもあるアンケート企画などもその一例です。アンケート結果をランキング形式にしてみたり、Web社内報であればコメント欄を設けるなど工夫してみると、従業員同士のコミュニケーションのきっかけになったり、明るく砕けた雰囲気も演出できるメリットもあります。
    こういった形で社内で募った意見や投稿を掲載すると、参加型の社内報としてより関心を持ってもらいやすくなるでしょう。
    他にも、福利厚生や健康に関する情報も、従業員にとっては「自分ごととして共感できる」価値のある情報のひとつです。
    特に福利厚生は制度がしっかり充実していても、その内容を知られていなかったり、利用や申請の仕方がわからないという声も多くあります。
    改めて周知するのも社内報の使いどころです。例えば福利厚生で利用できる保養所や温泉施設、スポーツジムなどを紹介し、利用までの申請方法なども併せて記事にするのも良いでしょう。導入企業が増えている"ワクチン休暇"など、社内で「どんな制度を、誰のために整えているか」「どのような時に利用できるのか」といったことも合わせて、定期的に社内報で発信していくことをオススメします。
    また、社内報は従業員とその家族も目を通す場合があるものです。家族が勤めている会社はどんな会社なのか?気になるのは当然ですよね。
    社内報を通して経営理念やメッセージ、今後のビジョンなどを示すことは、実際に会社に勤めている従業員だけでなく、家族にとっても自分ごととして共感できる価値のある情報の1つだと言えます。

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  4. 実務に役立つ情報を入れる 
    社内報を読むことは有益であると感じてもらうことも大切です。
    例えば、実務に役立つハウツーや情報などを盛り込むのも「読まれる」ための工夫のひとつ。
    特に自社のビジネスに関連があるニュースの共有や頻繁に使われるビジネス用語の解説などは、知っているようで実は正確に把握している人は少なかったりするので、有益性をアピールするにはおすすめのコンテンツです。
    「社内報を読むことは自分にとって役に立つ」のだと認識してもらえれば、読者である従業員自らが社内報に手を伸ばしてくれるようになるでしょう。
    また、自社業界と関連がある市場の動きや展示会などのイベント、セミナーや勉強会の紹介なども有益なテーマです。
    日々の業務をこなしてしまうだけになると、モチベーションが低下してしまいがちですよね。
    そんな時、業務に関するイベントやセミナーなどに参加すると、個人の刺激となり仕事のパフォーマンス向上にもつながります。
    社内報にこうした有益な情報があれば、従業員同士がイベントやセミナーに参加してそこからコミュニケーションが活性化することも期待できます。

  5. 目にしやすい時間に公開・配布する
    社内報を公開・配布するタイミングも読まれるためには欠かせない重要なポイントです。
    Web社内報では特に有効なのが公開のタイミングです。これはよく知られているマーケティング手法の1つなのですが、多くのメールマガジンは通勤時間帯や休憩時間を狙って配信されています。
    これは1日の中でもSNSやメールが読まれやすい時間帯と言われており、Web社内報も同様に従業員が目を通しやすい時間に合わせて公開すると効果的です。始業前後や昼休みなどを狙ってみると良いでしょう。
    また紙の社内報を郵送ではなく社内で配布する場合は、「ここからお取りください」とフリーマガジンのように設置するよりも、面倒でもなるべく個人のデスクなどに置くようにするとしっかりと行き届きます。

まとめ

読まれる社内報を作るための5つのポイントをまとめてみました。このほかにも、別コラムでは、思わず読みたくなる社内報づくりのヒントとして、タイトルの付け方についてまとめた「タイトルを制する者は社内報を制す。」や、読者である従業員のニーズを把握しやすくなる方法としてペルソナ設定についてまとめた「ペルソナ設定で見据えるコミュニケーション」などもありますので、ぜひ参照にしてみてください。
社内報のように定期的に発信するコンテンツは、ついついルーティンワーク化してしまいがちです。斬新な企画だけを考えるのではなく、誰に読んでもらうために社内報を発信するのかをしっかりと考えておくことが不可欠です。前述の5つのポイントを中心に今ある社内報を見直してみることで、改善点が見つかるかもしれません。

マーケティング部 ディレクター 村上恵美

筆者:マーケティング部 ディレクター 村上恵美

音楽配信サイトのプロモーションチームに配属。ECサイト運営をしながら、主にアーティストのキャッチコピーなどライティング業務にも従事。2021年 「"はたらき"から、笑顔を」という会社のビジョンを熱く語る上司に魅了されスカイアークへ入社。マーケティング本部へ配属し、自社プロダクト「SOLANOWA」のシェア拡大、およびメディア「BlueNote™」の認知拡大に向けたコンテンツ強化を中心に、プロモーション業務全般のディレクションを担当。

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