読まれる社内報へ「読後感」が大切な理由

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何はともあれ、読んでもらえないことには始まらないのが社内報です。どんな企画や記事なら読みたくなるか、日々頭を悩ませている現場の声が多く寄せられています。Webでも紙でもその悩みは等しく同じです。読みやすいレイアウトを工夫したり、目立つタイトルや見出しを考えたり、興味をひく写真を用意したり......。

あらゆるノウハウを駆使してみても、なかなか効果が上がらない。
そんなとき、検討してみるべきは「読後感」です。

読みやすいレイアウトも、目立つタイトルや見出しも、興味をひく写真も、ただそれを考えるだけでは読者である社員に"刺さって"いないのです。そこに「読後感」をプラスして考えることで、読者の気持ちに立つことができ、読みたくなる社内報づくりへの手掛かりが見えてきます。

感想と似て非なる「読後感」とは?

読後感とは、簡単に言うと本や文章など、何かを読んだ後にどの様に感じたかという感情を示します。それはしばし「読んでよかったと感じる気持ちの強さ」という意味で用いられることもあります。言葉の意味としては良い感情だけではなく、つまらなかった・(読んだことを)後悔したなど、マイナスの感情も全てそれが読後感です。紙でもWebでも人は何かの情報に触れた時に、内容を理解するだけではなく、写真や文章・見出しやデザインなど様々な表現を通じて何かしらの感情や気持ちを抱きます。この感情や気持ちが読後感ということです。

読後感は「感想」とは違うの?と思いがちですが、ここで違いがあることを理解しておくことが社内報には大切です。読後感は読んだ後に受ける感情や気持ちのことで、感想は読んだ人の認識や意見のことを示します。何かを読んだ後に得る受動的な感情や気持ちと、読み手自身の能動的な思考を示す感想は、比較してみると実は逆のものでもあるのです。

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読後感は社内報の目的達成に影響する?!

社内報で大事なのはこの読後感です。「読んでよかった」という読後感はもちろんのこと、社内報を読んだ後に読み手である社員にどう感じて欲しいか?を考えることが、結果として社内報の役割に結びつくからです。社内報はインナーブランディング強化を始めさまざまな目的を持って発行されています。社内報を読んでもらうことで相互理解を深め企業や組織を今よりもっと良いものにしていきたい、という想いがその根底にあると思います。そういった目的は社員の意識や行動が良い方向へ変わることで実現することですが、その意識や行動が変わるのは感情や気持ちが生まれるからです。

ここで気づきませんか?

社内報を読んだ後に「理解が深まった」「新しい発見があった」などポジティブな読後感を与えることができれば、社員の意識や行動が変わるきっかけになると思いませんか?すなわち、読後感を考えることは社内報の目的の実現を考えること、と言えるのではないでしょうか。

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    感想ではなく、読後感を考えるべし!

    そして社内報は社員の意思や気持ちで読むか読まれないかが分かれるものです。社内報を読むことが自分にとってプラスになる・刺激になる、など価値があるという感情や気持ちを社員に抱かせる必要があります。「読後感が良い・ある」とポジティブな感情や気持ちが持てるということは、読まれる社内報づくりができていると言い換えることができます。社内報を読んだ後に読み手である社員にどう感じて欲しいか?までを考えて企画に落とし込むことが重要です。

    例えば、経営理念をもっと広めたい目的で記事を作成する時は、わかりやすく伝えることに比重を置きすぎてはもったいないのです。その記事を読むことで社員にどう感じてほしいか?どんな変化を期待するかまでを考えてみることが大切です。経営理念は頻繁に変わるものではないので、社内報で欠かせない記事ではありながら見せ方がマンネリ化しやすいトピックでもあります。ここで読後感を意識して企画をブラッシュアップしてみると、どんなことが考えられるでしょうか?

    人は誰でも「自分ごと」として物事を捉える方が、気持ちや感情が動きます。経営理念を漠然と読むだけでは「聞いたことがある話だな」「前にも読んだことがあるな」という感想で終わってしまいます。そこで読後感を意識し、読んだ後に自分ごととして捉えてもらうためには、社員の仕事が経営理念の実現に繋がっている・役立っていると実感を持ってもらうことを狙ってみるのはどうでしょうか?

    では、その為にはどんな記事を掲載すれば読後感を残せるか企画を改めて練ってみる作業が必要です。記事の中に、実際に業績がアップした部署の話を入れてみたらどうか?社長へのインタービュー形式はどうか?インタビュアーにはあえて新入社員を起用してみるのはどうか?仕事に対する意識がいつから変わってきたかをアンケートにしてみたらどうか?など、今までとは違う企画と記事の切り口が見つかると思います。

    面白かった、楽しめたなど好感触な"感想をもらった"だけで終わってしまっては、いずれ読まれなくなってしまう可能性があります。感想はでなく感情や気持ちが生まれる読後感を与えることまでを意識することが重要です。社内報における企画づくりとは、社内報を読む社員ができるだけ自分ごととして実感できる記事を考えることとイコールです。

    もっと社内の福利厚生を周知すれば社員に安心感という感情や気持ち=読後感を持ってもらえるかもしれない。グループ企業が挙げている成果を報告すれば達成感や刺激という感情や気持ち=読後感を持ってもらえるかもしれない。安心感を持てれば会社への愛着心が強くなり、達成感や刺激があれば仕事へのモチベーションを高めることができます。社内報が本来成し遂げたい目的でもある社内エンゲージメントを高めるということが実現しやすくなるというわけです。

    コストや時間をかけて大掛かりな準備をしなくても、今すでに社内報があるならば、それは大きなチャンスがあるということです。ルーチンワーク化してしまっている企画や記事を少し見直してみること。読み手である社員の気持ちや感情にふれるような読後感を与える企画や記事を考えてみること。とても小さな一歩に見えることが、いずれ組織を動かし変えていく道につながると思います。

    マーケティング部 ディレクター 村上恵美

    筆者:マーケティング部 ディレクター 村上恵美

    音楽配信サイトのプロモーションチームに配属。ECサイト運営をしながら、主にアーティストのキャッチコピーなどライティング業務にも従事。2021年 「"はたらき"から、笑顔を」という会社のビジョンを熱く語る上司に魅了されスカイアークへ入社。マーケティング本部へ配属し、自社プロダクト「SOLANOWA」のシェア拡大、およびメディア「BlueNote™」の認知拡大に向けたコンテンツ強化を中心に、プロモーション業務全般のディレクションを担当。

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