テレワークで消える?「空気を読む」コミュニケーション

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「コミュ力」という文字を見て、「こみゅか」ではなく「こみゅりょく」とスラスラ読めた方は、きっと「コミュニケーション能力」も高い方なのだとお見受けいたします。
「コミュ力」と書いて「こみゅりょく」と読むこの言葉は「コミュニケーション能力」のこと。
プライベートはもちろんですが、ビジネスの場においてもコミュニケーションはとても大切なものです。周囲とのコミュニケーションなしでは、どんな業務も円滑に進めることができません。
言い換えれば、コミュニケーション不足は業務効率も低下させてしまう原因になり得るのです。

コミュニケーション不足が業務の障壁に

「HR総研」が毎年実施しているコミュニケーションに関する調査報告でも、実に7割の回答者が社員同士のコミュニケーション不足は業務の障害になると感じる結果が報告されています。

【社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると思うか】

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ProFuture株式会社/HR総研「社内コミュニケーションに関するアンケート2021」参照

企業活動におけるコミュニケーションの重要さは語るに足ることですが、コロナ禍という未曾有の事態に直面し、改めて気付かされることが多くなったと思います。
コロナ禍ではこれまで日本ではあまり馴染みがなかった「テレワーク」「リモートワーク」という働きかたが広がりました。
オフィスに出社をせずとも業務ができることは、密を避け感染対策を行いながらも今まで通り仕事ができるというメリットがあります。
その一方では、これまで顔を合わせることで取れていたコミュニケーションが不足し業務への影響を懸念する声もあります。

これまでと同じコミュニケーションはもう通じない時代が近づいているのでしょうか?
いま、働くうえで意識すべきコミュニケーションとはどんなものなのかを考えてみたいと思います。

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察するコミュニケーション「ハイコンテクスト文化」

ビジネスの場面で求められる「コミュ力」、もといコミュニケーション能力とは『「伝える力」と「受け取る力」が必要である』と言われています。
コミュニケーションを考える時に避けて通れないのが、日本は「ハイコンテクスト文化」であることです。
コンテクストは文脈や状況、脈絡などを示す言葉で、コミュニケーションの基盤となる『文化の共有度合い』といった意味で使われます。
島国である日本は単民族国家で、異なる母国語を持つさまざまな人種が集まる多民族国家である欧米諸国と違う背景があります。

ハイコンテクスト文化とは"文化の共有度合いが高い"ということ。
すべてを言葉で説明しなくても察し合うことができる、わかる文化のことです。
「空気を読む」という言葉が流行り浸透したことも、その背景には日本がハイコンテクスト文化である影響があると考えれられています。

ちなみに「ローコンテクスト文化」はその逆で、明確に言葉での説明が求められる文化のことを示します。
欧米でははっきりYESやNOを言う、と耳にすることが多いのも意思表示を明確に出すローコンテクスト文化であることがうかがえます。

ハイコンテクスト文化は、多くを語らずとも文脈や言い回し、表情やその場の空気などから会話をする相手の理解力に委ねる傾向があります。
それに対してローコンテクスト文化は、明確に相手に伝わるように話すことに重きがあり、曖昧な言い回しをせず端的に話す傾向があります。
海外諸国から「日本人は何を考えているのかよくわからない」と言われがちなのも、こういった文化の違いがあると捉えられています。

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テレワークで察する空気が消える?

前述の「HR総研」によるコミュニケーションに関する調査報告には、コロナ禍における社内コミュニケーションは「悪化している」と4割が感じている結果が寄せられています。

【コロナ禍における社内コミュニケーション状況の変化】

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    ProFuture株式会社/HR総研「社内コミュニケーションに関するアンケート2021」参照

    オフィスに出社し同じフロアで働いていれば、さりげなくフォローしあったり、忙しそうな人の代わりに業務を助けたり、という場面が多くあったと思います。
    しかし、テレワークではそういった「場の空気」を感じることが難しくなります。
    読むべき空気も、場も、オンラインから掴み取ることは容易いことではありません。
    言わなくてもやってくれるだろう、伝わっているだろうという憶測が業務の進行や生産性を低下させてしまうことに。
    業務の報・連・相は、メールやチャットツールなどを駆使し、的確にわかりやすく伝えることが重要になります。
    これまでは業務の中でさりげなく行われてきた声がけやフォローなども、テレワークではコミュニケーションとして意識しなければ埋もれてしまうでしょう。
    テレワークで社員とのコミュニケーションがうまく取れていないと感じる企業は、生産性が低下することを懸念する声がとても多いそうです。

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    最も多い社内コミュニケーション活性化対策は「社内報」

    前述の「HR総研」による調査報告には、「社内コミュニケーション活性化のために実施している施策」について、一番多いのが「社内報」であるという結果が寄せられています。

    【社内コミュニケーション活性化のために実施している施策】

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    ProFuture株式会社/HR総研「社内コミュニケーションに関するアンケート2021」参照

    一方で、社内報に次いで実施率が高い「従業員アンケート」は前年の調査より11ポイントも減少しているそうです。
    また、「社員総会・キックオフ」や「レクリエーション」も同様に前年の調査時より10ポイント以上減少しており、コロナ禍の影響がうかがえます。
    これまで対面で実施していたイベントなどが開催できない・しづらい状況に悩む企業は多いと言えるのではないでしょうか。

    しかしながら、これらの施策はすべてオンラインで実施することで、これまで同様に継続し活用することができます。
    社内報も紙の媒体で配布が難しい場合は、Web社内報の導入や併用する方法もあります。
    社内コミュニケーション活性化に向けた施策として社内報を有効に活用し、オンラインでイベントを実施できる環境を整えておくことがこれから企業にとっての課題であると言えます。

    まとめ

    働きかたが変わるということは、コミュニケーションも変わる、ということ。
    空気を読み、多くを語らずとも理解し、相手の考えを汲み取ることができていたのは過去の話になるのかも知れません。
    ハイコンテクト文化を背景に持つ日本の企業やそこで働く我々が、今よりもう少しだけ相手の立場になってみること。
    「伝わるコミュニケーションになっているか?」と意識を変えていくことで、ハイコンテクト文化とローコンテクスト文化の良いところを併せ持つハイブリットなコミュニケーションに進化できるのではないでしょうか。

    マーケティング部 ディレクター 村上恵美

    筆者:マーケティング部 ディレクター 村上恵美

    音楽配信サイトのプロモーションチームに配属。ECサイト運営をしながら、主にアーティストのキャッチコピーなどライティング業務にも従事。2021年 「"はたらき"から、笑顔を」という会社のビジョンを熱く語る上司に魅了されスカイアークへ入社。マーケティング本部へ配属し、自社プロダクト「SOLANOWA」のシェア拡大、およびメディア「BlueNote™」の認知拡大に向けたコンテンツ強化を中心に、プロモーション業務全般のディレクションを担当。

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